線路は続いているから

政府と東京都が株主だった東京メトロが上場し、民営化を果たしました。
優良案件の大型上場ですから、株式市場にとっては好材料なのでしょう。

しかし私は、上場よりも先に上下分離をするべきだったのではないかと思います。
銀座線と丸ノ内線を除く各線は、他社と線路をつなげて相互に乗り入れています。

都心からベッドタウンを経て、地方までの輸送を担う各社です。
今後の人口減で、地方路線の維持が重荷になることが必至です。

ドル箱の東京メトロ線内の運行を乗り入れている各社に分配し、代わりに地方の赤字区間を維持する約束を交わす方が、中長期的には国益にかなう気がします。

国や都が一度きりの上場益を受け取って経営の主導権を手放してしまう(全株の売却ではありませんが)、少しもったいない上場だったのではないでしょうか。

 

 

© 2024 Kentaro TAKANO