早起きの誓い

『生類憐みの令』の下では、門前で犬や猫が野垂れ死にしていると、家主に三文の罰金が科されました。
日の出前に起きて、人々の往来が始まる前に見回って、屍があれば片づけてしまうことで罰金を免れる。

諺、早起きは三文の徳(得)の由来です(江戸の犬猫ではなく奈良の鹿など諸説あります)。
手厚く埋葬なら良いものの、手っ取り早く隣家の門前に移動させる人が多かったみたいです。

家の前に何があろうが、何時に起きようが、今は失うものなどありませんが、ふと思ったのです。自分はあと何度、朝焼けを見るのか。

満天の星空や雲海は、望める場所が限られます。しかし、朝焼けや夕焼け、白い雲や青い空は、およそ何処でも見上げることができる。

ただ朝焼けだけは、当たり前ですが早起きしなければ、見ることが叶いません。
何か特別な思い入れがある訳ではありませんが、見れば清々しくなるものです。

散歩を心待ちにしている生類もいることだし、早く寝て、早く起きてみようか。

 

© 2024 Kentaro TAKANO