スマートな距離
昭和から平成にかけて、会社からポケベルを貸与される営業マンを見るにつけ、外出してもなお縛られるなんて不憫だなと多くの人が口にしていました。
それが今や、老若男女、みんな揃って自ら喜んで縛られる。
ひねくれた見方ですが、私には今なお不憫に思えてしまう。
スマホは便利だけど、享受するには常につながっていなければなりません。
時代は、何から何までインターネットに接続し続ける方向に進んでいます。
一方、できれば野放しにされていたい私、スマホはもはやダムフォンです。
シャープの現行モデル、アクオス wish 4 というシンプルな機種で 22,000 円也。
キャリアはドコモ、契約は最安プラン、月に 3 ギガまで使えて 2,000 円台です。
不要なアプリは削除や非表示、電話とショートメールと WhatsApp を主に使用。
初代 iPhone のユーザーでした。当時、外でもメールを送受信できることに感激したものです。その後、国際的にはアンドロイドが台頭したので乗り換えて、フラッグシップモデルを頻繁に買い替えていた時期もありました。
気付けば、立派な依存症。脱しようとしても『仕事』や『緊急』が大義名分になって立ちはだかる。なかなか手強い相手でした。
スマホが重宝される理由のひとつは、集約できること。複数の連絡手段、検索、決済、カメラ、地図、スケジュールやお金の管理、暇つぶしの娯楽まで、本当に魔法の小箱です。
けれども、悪魔の魔法ですよ。
集約を解くことから始めよう。
上手に使えば、なんて言い出しそうな自分を抑えて、徹底的に変えました。
連絡や検索はパソコンで、支払いは財布から、写真はカメラで、見知らぬ先への外出は事前に調べ、ノートとペンを携帯、本を片手にといった具合です。その上で荷物は最小に。
書き連ねれば、まるで世捨て人みたいですが、アーミッシュのように 300 年前の生活を模しているわけではありません。ほんの少し前の当り前です。
魔法にかかる前のね。