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ミミズのマフラー

Muffler of Earthworm

幽閉 🏰

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イタリアで古城をいくつも所有しているキザな野郎を訪ねたときのこと。 城のひとつを滞在の場として使わせてくれたのだが、なんと日没になると主は家に帰りやがる。 城は街を見下ろす高台にあり、すなわち徒歩圏内には何もなく、どこにも行けやしない。 石造りの壁や古びた置物が珍しいのは最初だけ。 ひとり過ごすのはなかなか退屈で、夜が更けるとこの世に幽霊などいないことを知っていてもなんだか不気味。 セキュリティーのためにと庭に放していった 2 匹のドーベルマンにも大いなる疑問。 「こいつらは知らない人間を見ると噛みつくように訓練してあるから安心しろ」 と肩を叩かれたのだが、あいつらにとっては僕こそが知らない人間なのではないだろうかと。